耐震診断をどこに頼むかによって耐震設計、耐震リフォームに大きな影響を及ぼします。ですので耐震診断をどこに頼むか、誰に頼むかは慎重に選ばないといけません。

 それは何故か…耐震診断した人が基本的に設計、そして工事監理を行いますので、単なる営業マンや工事の知識を持っていない人に耐震診断を頼むと痛い目にあうことも…

 耐震診断結果や設計や工事の見積もりに納得がいかず、別の耐震診断士に再度診断を頼むすることも可能ですが、「耐震診断を以前にしているから無料」ということにはいかず、責任の問題がありますので、再度別の耐震診断士が耐震診断を行います。

 となると耐震診断費も2重に掛かってくることになります。勿論耐震診断の補助金は1度きりですので、全額自己負担となります(大概は5万円)。

 耐震診断から失敗しないように、耐震診断をしている会社について説明していきます。

あなたのお悩み
  1. 耐震診断はどこに頼んでも同じじゃないの?
  2. 耐震診断というと設計事務所に頼むというイメージだけど?
  3. 今は耐震診断無料が当たり前じゃないの?

耐震診断はどこに頼むのも同じ?

 皆さまはあまりご存知じゃないかもしれませんが、耐震診断や耐震補強設計は大雑把なルール・マニュアルはありますが、それぞれの家によって状態が違いますので、細かな部分は耐震診断士、設計士の判断に委ねられています。

 例えば、よくあるのが、「既設の筋交いを耐力計算にいれるかどうか」や「外壁のひび割れを劣化として見るかどうか」、「浴室の腰まで積まれたブロックを基礎として扱うか」などは細かな決まりはありません。

 「このような状態のときは劣化として判断し、このような場合は劣化として見ない」という基準というものはありません。それらは耐震診断士の判断となります。ですので、どこに頼んでも評点のバラツキはあります。勿論市役所、区役所は明らかに間違っている事以外は何も言いません。

ここがポイント

  • 耐震診断に細かなルールは無い!ほとんど現場判断
  • 設計士によって耐震診断結果は異なる

危険な設計、安全な設計、どちらに頼む?

 耐震には「安全側」の診断・設計と「危険側」の診断・設計という考えがあります。

 耐震診断において既設の筋交いを耐力計算に入れることは、一概には言えませんが「危険側」の診断となります。

 筋交いは厚み30mm以上から耐力壁として計算に入れられますが、入っている筋交いは大概は27mmであったりします。

 また、筋交いの上下を釘2,3本でしか固定していないので、実際は大地震が起きると外れてしまうことが多いのです。しかし、地震が発生しても途中までは地震の揺れに対抗してくれるので、耐力計算に入れることもあります。ですので釘で留めている筋交いは非常にグレーな扱いではあります。

 外壁のひび割れもグレーな部分で、ひび割れの幅によりますが、劣化として見ないこともあります。しかし、そこから雨が侵入して下地が腐っているだろうと予測した場合や、ひび割れを起点にして外壁が落ちるだろうと予測した場合などは劣化として計算したり、一部の壁の耐力を低減、または耐力0として扱うこともあります。こちらも耐震診断士の判断に委ねられます。

 「安全側」である診断・設計をしすぎると劣化改善箇所や補強箇所が増え、耐震改修費用も増えます。

 逆に「危険側」の診断・設計をしすぎると、耐震補強箇所は抑えられ、耐震改修費用も抑えられます。

ですので耐震診断を頼む場合は、どこに頼むのも同じというわけではなく、設計士がどちらの考えを持っているのかを確認する必要があります。本当に安心したいのであれば安全側の考えを持った設計士に頼んだ方がいいし、気持ちだけ安心したいのであれば危険側の設計士に頼んだらいいでしょう。

正確な耐震診断は誰にもできない

 耐震診断は非破壊検査であり、壁の中の状態や梁の状態を全て見れるわけではありません。耐震補強設計の数値はあくまでも「理論上」の数値であり、大概の家はその理論からは外れます。ですので、耐震設計の計算上は評点が1.0という国の基準をクリアしていても実際は0.85などといった数値である可能性も大いにあります。

 また、補助金を受けたいけど耐震補強の費用を抑えたいがために、国の基準をギリギリ超えるようにすることは、あまりお勧めではありません。そのようなギリギリの設計をする業者に頼むことはやめておいてください。それでは基準をクリアしていても、阪神淡路大震災級の地震では家が潰れます。

 古い住宅においてはどのような建て方をしているかわかりません。梁がどこで継がれているのかもわかりませんし、柱が梁まで届いているかもわかりません。ですので、国の基準となる評点をギリギリに超えるようにするのではなく、予算と相談しながら大きく超える方がいいのです

ここがポイント

  • 「危険側」すぎる設計はリフォーム工事費は安い、でも“安物買いの銭失い”
  • 耐震診断は誰も正確にはできない、家の弱点も見つけられないことがある
  • 地震は家の弱点を狙ってくるので、評点は基準を大きく超えるように補強するのがベスト
  • 評点をギリギリで設計する業者には頼むな

設計事務所とリフォーム会社 どちらに頼むか

 耐震診断はどこに頼のがいいのか、設計事務所かリフォーム会社のどちらに頼むほうがいいのか、非常に難しいですね。

 「設計事務所の方が耐震補強に関する知識が豊富」というイメージがありますが、全ての設計事務所が耐震診断、設計、工事の知識があるとは限りません。設計事務所でもデザイン寄りの設計事務所もあれば、構造計算寄りの事務所もあり、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリートの経験も様々です。

 松原市でも悪党業者レベルの耐震診断をしている一級建築士事務所もありましたので、「建築士事務所だから安心」という考えは一度捨てた方がいいかも知れません。

 耐震診断や設計の経験が豊富な設計事務所に頼むメリットは、設計のノウハウや経験が豊富であること、経験によって「ここは補強した方がいい」などと直感で感じられること。設計事務所に頼むデメリットはリフォーム工事の知識が少ないので、仕上がり等はイメージしていないことが多いです

 一方、リフォーム会社に頼む場合は外部の経験のある設計士と提携しているか、自社で設計ができる人が耐震診断や耐震補強設計などを行います。最近、「耐震診断してます」などといったチラシや看板をよく目にしますが、リフォーム会社に頼むする場合も、最近新しく始めたような数多くの経験が無いところには耐震診断等を頼むのはやめた方がいいです。リフォーム会社は施工のことは熟知していますが、耐震診断や設計の考え方となると、設計事務所よりかは劣ります。

 費用面で見ると設計事務所は設計費で利益を得ますが、リフォーム会社は工事費で利益を得ます。ですので、設計費を抑えたい方は自社で設計をしているリフォーム会社に頼むのもいいかも知れません

ここがポイント

  • 設計事務所は工事費のことをあまり考えずに設計をする傾向がある
  • リフォーム会社は工事費で利益が出るため、設計費は安く設定している傾向がある
  • 耐震リフォームを最近始めた会社には頼むのはやめた方がいい、ノウハウが少ないため

耐震診断を無料の会社に頼むと…

「耐震診断無料」

 皆さまはこの言葉を見てどう思いますか。「1000円以上お買い上げの方には牛乳を1本無料で差し上げます」というようなお得感があるようには感じませんよね。

 耐震診断も市区役所からの補助金が得られるのであればお客様の自己負担5千円をサービスする…これはまだギリギリOKですが、補助金も得られない、自己負担も0円というのは如何なもんだろうか。

 耐震診断もしっかり見ようと思うと2時間はかかります。図面も専用ソフトで書き起こさないといけません。空いた時間、片手間でできる作業ではありません。

 耐震診断だけをしたい方は、こういった無料で耐震診断をしているところへ頼むとお得ですね。

 耐震診断を無料にしている会社は耐震診断費を無料にした分、集客ができて、リフォーム工事を契約できたらラッキーという考えでしょう。「無料」という言葉につられて不安を煽られて契約してしまうということだけは絶対に避けてくださいね。


まとめ
  1. 耐震診断は診断士の考え方によって結果が変わる
  2. 耐震補強設計費を抑えたいのであれば自社設計ができるリフォーム会社へ
  3. 耐震補強工事費用が安すぎる業者は「危険側」の診断・設計をしている可能性有
  4. 「耐震診断無料」も集客の一つ、専門性を見極めて耐震診断を頼むべき

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