マンションでお住まいの方の中には“ユニットバスに入る時の段差を無くしたい”という悩み、要望があります。特に高齢者がお住まいの世帯ではユニットバスの段差は危険なものになります。

戸建て住宅であれば出入り口に段差のあるユニットバスは基本的にありませんが、マンションとなるとなぜユニットバスに段差が生じるのか、その段差を無くすことはできるのかを説明していきます。

あなたのお悩み
  1. マンションでユニットバス出入り口の段差を無くしたい

マンション用ユニットバスを入れるための最小床下高さ

 マンション用のユニットバスは、ユニットバスを支えるボルト(脚)が短く設計されており、床下が低いマンションでも出入り口を最小限の段差に抑えることができます。

しかし、戸建て住宅のように完全にバリアフリーとできる古いマンションは少ないのです。

とあるメーカーのマンション用のユニットバスの高さを見ると、スラブ(コンクリートの床)からユニットバス出入り口までの高さが195mmとなっています。つまり、洗面室の床がコンクリートの床スラブから195mm以上であれば、床下の低いマンションであってもユニットバス出入り口の段差を無くし、バリアフリーにすることができる“可能性”があります。

ここがポイント

  • メーカーによって異なるが、床スラブから洗面室床までの高さが20cm以上なら、ユニットバス出入り口の段差を無くすことができる可能性がある

ユニットバスの段差を無くせるか測ってみよう

 床スラブから洗面室の床までの高さを測れば分かると書きましたが、実際にどのように計測するのかを説明していきます。あなたもユニットバス出入り口の段差を無くしたいとお考えであれば、一度測ってみてください。

 まず、最も簡単な方法は玄関の土間(靴を脱ぐ場所、タタキ)と洗面室の床の高さの差を測る方法です。玄関土間は床スラブと同じ高さである場合がほとんどですが、稀に玄関土間と廊下などの床スラブ高さが異なっている場合がありますので注意は必要です。

 確実に洗面室と床スラブの高さを測るためには、ユニットバスの天井を開け、メジャーをユニットバスと壁の間に下して計測することです。ユニットバスと壁の間には隙間があり、メジャーを下せばスラブからユニットバス天井までの高さを測ることができます。ユニットバスの天井の高さが分かれば、そこから引き算、足し算で洗面室と床スラブの高さがわかります。

気になる方は一度ご自身で安全第一で測ってみてください。その結果、洗面所床の高さが床スラブより20cm以上であればバリアフリーにできる可能性はあります。

ここがポイント

  • マンションの玄関土間と洗面所床の高さ≒床スラブ~洗面所床の高さ

ユニットバス出入り口段差を無くせるかどうかは排水の高さ次第

 色々と床下が低いマンションのユニットバスについて説明してきましたが、最終的に大きな障害となるのが排水の高さです。排水はご存じの通り、排水パイプに勾配を付けないと水は流れていきません。

ユニットバスの最終的な高さを決める要因が、排水口(トラップ)と排水パイプ接続口の高さです。排水パイプがどのようなルートで配管されているのかなどによって、最終の接続口の高さが変わってきますので、ユニットバスを解体してからバリアフリーにすることができないことが判明することもあります。洗面所床の高さと床スラブの高さは測れるけど、排水パイプの高さやルートに関しては解体してみないとわかりません

また、ユニットバス本体の排水トラップの形状によっても高さが変わり、床スラブから84mmのものや110mmのものなど様々です。可能な限り出入り口の段差を少なくするのであれば、「排水トラップの接続口が高いユニットバス」で「床スラブからユニットバス出入り口の高さが低いユニットバス」を選ぶようにしてください

ここがポイント

  • ユニットバスの高さを決めるのは、最終的には排水管の高さ次第

結局はどこかで段差ができる!?

 ほとんどの古いマンションの場合、完全に室内の段差を無くしてバリアフリーにすることは困難です。床スラブ(コンクリート床)からユニットバス出入り口までの高さが約20cmあり、これは物理的に解消することはできません。

物理的にこの20cmを無くそうと思うと、その他の部屋の床全体を20cm上げるしかありません。しかし、そうすると玄関に20cmの段差が生じてしまいます。ですので、元々部屋全体の床下が20cm以上に設計されて作られたマンションでない限り、完全バリアフリーは困難なのです。

ここがポイント

  • 古いマンションではマンション出入り口をバリアフリーにすれば、他の場所に段差が生じる

転倒防止には手すり取付が一番

 古いマンションではユニットバス出入り口の段差を無くすことが困難であることを説明しました。では段差が無くならない場合どうしたらいいのか、それは手すりを取り付けることです。

手すり取付は要介護認定を受けている高齢者であれば、手すり取付工事の7~9割が補助されます。

 また、どうしても足が上がらないなどの理由があれば、段差を分割する方法もあります。例えば廊下と洗面室に段差がなく、洗面室とユニットバスに20cmの段差があったとします。その20cmの段差を分割し、廊下から洗面室に10cm、洗面室からユニットバスに10cmの段差を付けて割り振ることも可能です。

高齢者などが転倒する場合は、足を上げるなどの行動に不安定な姿勢・体勢を伴ったり、掴まるところが何もない場合に良く転倒をします。ですので、ユニットバス出入り口などに段差が残ったとしても、掴まることができる手すりを取り付け、不安定な姿勢で行動しなければ転倒リスクは抑えられます。

ここがポイント

  • 出入り口で転倒リスクを抑えるなら、手すりの設置が最も効果的
  • 段差を分割して分散する方法もある

営業マン次第で段差が増える!?

 古いマンションであれば床下が低い為、ユニットバス出入り口に段差が残る場合がほとんどです。しかし、どうせなら少しでも段差が少ない方がいいですよね。

ユニットバス出入り口は、ユニットバス本体の高さと排水トラップの高さによって異なることは上記で説明しましたが、「段差を少なくしてほしい」という要望に何も考えずにユニットバスを提案してくる営業マンも少なからずいるはずです。

段差はどれくらいになるのかを聞けば「解体しないと分からない」と曖昧にしか返事できない営業マンも多くいます。段差を少なくして欲しいという要望なのに…

簡単な調査とユニットバスカタログを見ると段差の高さの予測は可能です。そして、排水パイプが何cmまでまでの高さであれば、ユニットバス出入り口の段差は何cm、それ以上となると何cmといったような説明もできます。

 また、現場管理の際にも排水管の勾配を直したり、排水管を繋ぎ変えたら段差は少なくなるという判断はできます。しかし、どこから排水管を繋ぎ変えることができるのか、どのようなルートで配管すればよいのかなど、現場管理と工事の知識が必要となります。

現場管理ができていなかった、営業マンに知識が無かったから段差が少なくならず、寧ろ増えてしまった…という悲しいことにならないように、“リフォーム会社選び”よりも“営業マン選び”を慎重にしてくださいね。
ここがポイント

  • 現場管理次第で段差を少なくすることができることもある
  • 無能な営業マンは細かな高さなどの説明をしてくれない(できない)
  • 「できるだけ低くしますねー」「解体しないとわかりません」などの曖昧な言葉には要注意

まとめ
  1. メーカーによって異なるが、床スラブから洗面室床までの高さが20cm以上なら、ユニットバス出入り口の段差を無くすことができる可能性がある
  2. マンションの玄関土間と洗面所床の高さ≒床スラブ~洗面所床の高さ
  3. ユニットバスの高さを決めるのは、最終的には排水管の高さ次第
  4. 古いマンションではマンション出入り口をバリアフリーにすれば、他の場所に段差が生じる
  5. 出入り口で転倒リスクを抑えるなら、手すりの設置が最も効果的
  6. 段差を分割して分散する方法もある
  7. 現場管理次第で段差を少なくすることができることもある
  8. 無能な営業マンは細かな高さなどの説明をしてくれない(できない)
  9. 「できるだけ低くしますねー」「解体しないとわかりません」などの曖昧な言葉には要注意

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