最近流行の訪問販売の商材として「火災保険を使ったリフォーム」があります。厳密に言うとリフォームではなく“修繕”なのですが、訪問販売業者は外観から傷や波板の割れなどを確認して訪問します。
外観から分かる情報として“屋根カラーベスト(スレート屋根)の浮き”を指摘してくる場合が結構あります。しかし、疑問に思うのが「カラーベストなんて風で浮いたりするのだろうか…?」ということですよね。
カラーベストが浮いる浮いていないにせよ、無料で修理してもらえたり、保険金を受け取れたりすると嬉しいから、訪問販売業者の話を鵜呑みにして申請すると、後から保険金の返金を命じられたり、保険を解約されたりする恐れも少なからずあります。
ここではカラーベストは浮くことがあるのか?火災保険会社に台風被害として申請しても問題が無いのかどうかを説明していきます。
- カラーベストが浮いていると言われたけど大丈夫?
- カラーベストの浮きを申請することは不正申請?
カラーベストは浮くことがあるのか?
まず初めに、カラーベストの施工手順を説明します。
(ケイミュー株式会社HPより抜粋)
上の図の通り、カラーベストは下から順に葺いていきます。1列目を葺いたら2列目は1列目のカラーベストに半分被せて葺いていきます。また、1枚あたり4本の太い専用の釘で留めていきます。
この施工手順を知っていたら、カラーベストの1枚だけが浮くということは考えられませんよね。カラーベストが浮く時は、その周辺(上部)のカラーベストも浮くはずです。
次にカラーベストの耐風試験を見て見ると、60m/sという突風にも耐えられるという結果が出ています。
つまり施工手順や耐風試験から考えると、カラーベストが浮くはずがないのです。浮いているように見える場合もありますが、それは熱で若干反っている場合です。浮くならそのカラーベスト周囲が浮くはずです。
また、カラーベストは5ミリ程度のセメント質なので、カラーベストがたとえ台風で浮くことがあるとすれば、その時はカラーベストが割れます。
これらのことから、1枚だけカラーベストが浮くことはありえません。そして浮く時はカラーベストが割れます。
- カラーベストは1枚だけ浮くことはない
- カラーベストが浮くとすれば広範囲で浮く
カラーベストの単なる反りを申請するとどうなる?
カラーベストの自然な浮きを訪問販売業者は指摘してきます。オーバートークという鉄板トークですよね。
1枚だけの単なるカラーベストの反りを「カラーベストの浮き」として火災保険会社に台風被害申請するとそうなるのでしょうか。言うまでもなく“不正申請”になります。
不正申請でも申請が通り、保険金を受け取ることもできますが、保険金不正受給ということで保険金の返還や、最悪の場合詐欺罪共同犯で検挙される可能性もあります。勿論火災保険会社と揉めてトラブルになることもあります。
そもそもカラーベストの単なる反りを浮きとして申請できるのであれば、カラーベスト葺きの家のほとんどは保険金を受給できることになります。そんな夢のような話はありませんよね。
訪問販売業者はオーバートークが常套手段なので、「カラーベストが浮いているので火災保険会社に台風被害を申請すると保険金を受け取れる」という言葉には惑わされないようにしてくださいね。
- カラーベストの台風被害は不正申請が多い
- 火災保険の保険金を不正申請すると、保険金返還などのリスクがある
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