「ユニットバスを拡げて広々としたユニットバスにしたい」、「戸建て住宅でタイル張りの浴室を拡げて大きなユニットバスを入れたい」という要望にお応えできないこともあります。

浴室を拡げるにあたって戸建て住宅、マンションそれぞれに制約があり、その制約をクリアしないと浴室を拡張することはできません。

ここではマンション・戸建て住宅それぞれの「ユニットバスを拡げられない理由」を説明していきます。

あなたのお悩み
  1. リフォーム会社からユニットバスを拡げられないと言われた
  2. 浴室を拡げられない理由が知りたい

マンションでユニットバスを拡げられない理由

 今現状あなたの住んでいるマンションの間取りにもよりますが、ユニットバスを拡げる空間があるかどうかの「空間的制約」があります。今現在1216サイズの浴室が入っていて、洗面室側に200mm拡げて1416サイズにする場合、大概のマンションでは簡単に200mmも洗面室を縮めることができないのが現状です。

LDKや洋室などの居室を広くとるために、洗面室などの空間はコンパクトにしているマンションがほとんどです。

では一体どのような場合がユニットバスを拡げられて、どのような場合が拡げられないのか、クイズ形式で説明していきます。下のイラストの内、ユニットバスを矢印側に拡げられる間取りは①~③のうち、どれでしょうか。

①は洗面化粧台のサイズを小さくすれば可能です。また、通路は狭くなりますが、洗濯パンと洗面化粧台を入れ替えるなどして、更に通路を狭くすることで更にユニットバスは拡げられます。

②は洗面化粧台・トイレ内の手洗いカウンターを小さくし、収納を無くせばユニットバスを拡張することが可能です(②-2)。更に拡げる場合は②-3のように大幅に間取り変更することで大きなユニットバスを入れることも可能です。

③においては、パイプシャフトは移設することができませんので、ユニットバスを拡げることはできません。図面上「PS」と書かれているものは絶対に動かすことができません。上階から下階まで繋がっているパイプが入っています。このようにPSが原因でユニットバスを拡張することができないこともあります。

以上のようにマンションではユニットバスを拡げられる空間が無いという制約とPSが干渉するという制約により、浴室を拡張することができないことがあります。

ここがポイント

  • 洗面室のスペースや間取りによってユニットバスを拡げられるかどうかが決まる
  • 稀にPSが邪魔でユニットバスを拡げられないこともある

戸建て住宅でユニットバスを拡げられない理由

 戸建て住宅でユニットバスを拡げられない理由としては…空間的制約以外はありません。ユニットバスを拡げると洗濯機置き場を移設しないといけないとか、LDK側に拡げるとテーブルが置けなくなるなどの制約のみとなります。ですので、日常生活の作業性などを考慮して優先順位をつけ、ユニットバスを拡げるかどうかを考えるようにしてください

他のユニットバスを拡げられない理由はありません。例え浴室出入り口の横の壁がブロックで作られていても問題ありません。壊せばいいだけです。

そのブロックの上に柱が乗っていて、その柱に2階や屋根の荷重がかかっていても問題ありません。柱を移設するなり梁を補強すればいいだけです。

筋交いを抜かないといけない場合でも問題ありません。再度耐震診断・耐震補強設計を行い、筋交いを抜いた分補強すればいいだけです。

大掛かりな工事で難しいと考えられているユニットバス拡張工事ですが、戸建て住宅においては意外と制約がありません。マンションと違って洗濯機置き場や洗面化粧台も移設しやすいので、なんとでもなります。

ここがポイント

  • 戸建て住宅では空間的制約以外の制約はない
  • 空間的制約があっても、マンションに比べ、戸建て住宅は水回りを移設しやすいので、制約を解消しやすい

ユニットバスを拡張可否は営業マン次第

 ユニットバスを拡げられないと断られ、今現状の大きさのユニットバスを勧められた方も多いかと思います。

しかし、本当に浴室を拡げて広々としたユニットバスにすることはできないのでしょうか。上記で説明した通り、戸建て住宅でもマンションでもある程度制約はあるとはいえ、本当にできないのでしょうか。

仮に「できない」としても、代替案が出てくるはずです。「洗濯機を移設したらできます」、「出入り口を右側ではなく左側だとできます」、「LDKが狭くなりますが、このようなレイアウトであればできます」など、どのようにでもなります。

 営業マンがユニットバスを拡げることは“できない”と言うのは、実際に構造的に、物理的にできない場合もありますが営業マンの能力・知識が劣っているので“(私には)できない”ということもあります「私にはできません」と率直に言うのではなく、「ここに柱が云々、〇〇…だからできません。そのままの大きさでユニットバスを入れましょう」と訳の分からないことを言い、単純なユニットバスリフォームを受注しようとします

その営業マンがユニットバス組立の職人や大工などを集めて調査を行い、職人の判断で「できない」という場合は本当にできません。工事の知識や構造の知識がない営業マンの「できない」はあまり信用しない方がいい場合が多いのです。

知識のある営業マンかどうかは、仕上がりの寸法などを確認すれば一目瞭然です。壁はどこに来るのか、どのくらい狭くなるのかなどを確認し、答えられないのであれば、あまり工事の知識がなく、現場管理能力も劣っていると考えていいでしょう。

逆に「できます」という営業マンでも「上手いようにちゃんとします」と曖昧な返事をする人には要注意です。このようなタイプの営業マンは工事の知識は無いけど取り合えず受注し、後は職人任せにして仕上がりが滅茶苦茶になるタイプです。歩合制でノルマがある営業だけのリフォーム会社に多いタイプです。

ユニットバスを拡げる工事を行う際は、必ず専門的な知識があり、細かな質問でも曖昧にせず答えてくれる営業マンを選ぶようにしてください。

ここがポイント

  • ユニットバスは拡げられることの方が多い
  • 知識が無い営業マンは「できない」と言うこともある
  • 何でも「できます」という営業マンも要注意
  • その人に知識があるかどうかは、細かな仕上がり寸法を聞けばわかる

まとめ
  1. 洗面室のスペースや間取りによってユニットバスを拡げられるかどうかが決まる
  2. マンションでは稀にPSが邪魔でユニットバスを拡げられないこともある
  3. 戸建て住宅では空間的制約以外の制約はない
  4. 空間的制約があっても、マンションに比べ、戸建て住宅は水回りを移設しやすいので、制約を解消しやすい
  5. ユニットバスは拡げられることの方が多い
  6. 知識が無い営業マンは「できない」と言うこともある
  7. 何でも「できます」という営業マンも要注意
  8. その人に知識があるかどうかは、細かな仕上がり寸法を聞けばわかる

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