まず初めに、台風被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。

台風で住宅が壊れるという経験は人生に何度もなく、初めて被災されたかたにとってはまず何からすればいいのかわからないかと思われます。また、何も分からないままに業者の言いなりになると非常に損をすることにもなります。

ここでは台風被災直後にするべきことと、やってはいけないことを被災レベル別に説明していきます。

あなたのお悩み
  1. 台風で住宅が壊れたけど、何からすればいい?
  2. 台風で住宅が壊れたけど、してはいけないことは?

土葺きの屋根が台風で吹き飛んだらすべきこと

 まず台風被害で多いのが屋根瓦が吹き飛ぶということです。和風の陶器瓦などは、葺き土という土を乗せてから瓦を葺いており、防水の役割をするシートが破れていたりすることが多く、そのままにしていると雨漏りしてしまいます。

ですので、和風の土葺きの瓦屋根が飛んで行った場合はすぐにブルーシートをかけてもらってください。ただし、緊急のブルーシート張り作業であっても、千葉県のブルーシート詐欺のような被害にあうこともありますので、着工前には必ず契約書などを交わすようにしてください。

といっても職人のほとんどは契約書を持っていないため難しいのが現実なので、せめて何かにサインをしてもらうようにしてください。追加となる作業とその金額もしっかりと書いてもらうようにしてもらってくださいね

詐欺で問題になったのが、「男性2人組が勝手にブルーシートを張って高額請求をされた」という問題です。終わってから不当な金額だから支払えない旨を伝えると大概は脅してきます迷わず警察を呼ぶようにしてください

このような業者にはクーリングオフという制度は通用しません。名刺ももっていないし、名刺に書かれていることも事実かどうか疑わしいですよね。本人を特定しようとしても名刺だけの情報では特定に至らないこともあります(名前が違う、電話を掛けても回線が閉鎖されている、存在しない会社等)。

とにかく詐欺だと思ったらすぐにお金を支払ってはいけません。とにかくお金さえ払わなければなんとかなります。

ここがポイント

  • 土葺きの瓦が飛んだら、まずは雨漏り防止の為にブルーシート張りを
  • ブルーシート詐欺もあるので、事前にサインと費用、追加となる要因とその費用を記載してもらうこと
  • 勝手に作業をされるなどの被害があった場合は、とにかく脅されてもお金は払わないこと、すぐに警察に電話もしくは大声で助けを呼ぶ

屋根の台風被害修理時期はすぐにやると損をする

 屋根にブルーシートをかけてもらったら、ひとまずは安心です。我が家の屋根が台風被害で飛んで行ったら皆さんがやりがちなのが早めの修理です。

我先にという思いでリフォーム会社に電話をされます。ちなみに台風直後のリフォーム会社は1日で1000件以上の電話が鳴り、普段全く反響が無い工務店でも数百件の電話が鳴るようです。そのくらい駆け込んでいます。

これほど爆発的に仕事が増えるとどうなるでしょうか。屋根の職人やエクステリアの職人は直ぐに1年待ちの状態になります。職人不足で忙しすぎ…単価も当然上がります。

その単価UPは1.2倍、1.5倍というレベルではなく、最大で20倍程にもなります。4万円でできる屋根修理も、台風直後に依頼すると55万円になるなんて当たり前の業界なのです。

知っている方は「周りが落ち着いてから修理する」と覚悟を決めています。火災保険に加入しているから保険金で修理できるという方も損をすることになります(職人のぼろ儲け)。“見てくれ重視”の方は、いち早く修理をしてもらった方がいいでしょうが、特に実費で屋根修理をされる方は台風直後に修理はされない方が得策です。

1年もブルーシートなんて耐えられないでしょうと思われるかもしれませんが、しっかりと施工されていれば1年でも持ちます。

ここがポイント

  • 台風直後は職人の単価が最大で20倍にも上がるので、すぐに修理しない方がお得

屋根のブルーシートはロープと土嚢袋が基本

 屋根のブルーシートはせっかくお金を支払って張ってもらうのでしたら、しっかりと施工してもらうようにしてください。屋根のブルーシートは基本はロープの先に土嚢袋を括り付け、それを垂らしてブルーシートを引っ張る方法です。更に言うとブルーシートとロープをしっかりと固定した状態で、ブルーシートの上に土嚢袋を置いておけばベストです。

ブルーシートを張る業者の中にはテープで張り付ける業者もいますが、これは絶対にNGです。強風が来たら一瞬で捲れますのでムダ金となります。どうしても費用が無いという方は、瓦と瓦の間にビス(ネジ)を差し込んで固定する方法もあります(大阪で3年は持ちました!)。意外とビスのギザギザな先端が瓦に引っかかって、テープで固定するより遥かに強いのです。

ちなみに、1年以上放置しようと考えている方はブルーシートよりもホワイトシートの方が長持ちします。あなたも街中でソーメンのようになっているブルーシートを見かけたことはないでしょうか。ブルーシートも紫外線を受け続けると劣化し、パサパサになります。ホワイトシートであれば3年でも耐えられます。

なお、あなたが加入している火災保険によっては、ブルーシート張りなどの“仮修理費用”を請求することもできます。東京海上日動やあいおいニッセイ同和損保等に入られている方は一度問い合わせしてみてください。「保険料の何%か100万円のいずれか低い金額」と決められており、保険金を受け取ることができます。

このような事実を知らずに保険金の申請もせず、「関西人はブルーシート詐欺だ!」というのはやめてくださいね。しっかりと勉強しましょう。

ここがポイント

  • ブルーシートはロープと土嚢袋で固定するのが基本
  • ブルーシートはテープで固定すると、強風で一瞬にしてめくれ上がるためNG
  • 長期戦を覚悟している方はブルーシートではなくホワイトシートの使用を

台風直後は“我先に精神 ” が損をする

 関西を襲った台風21号の直後は、ホームセンターや金物屋さんからブルーシートと波板が消えました。入手不可能な状態です。ブルーシートは“我先に精神”で取り合うのは分かりますが、波板はそんなに急がなくてもいいのかなと思います。

台風直後は単価が遥かに上がるということはお伝えしましたが、波板も同様です。「我先に修理を!」という方は損をします。業者も単価UPしてでも仕事がとれるので波板を買いあさりますので、ホームセンター等から波板が消えます。

ちなみに、波板を張るのであれば、ホームセンターの波板ではなく、金物屋さんで購入したものにしてください。ホームセンターも金物屋さんも取り扱っているメーカーは“タキロン”という一流メーカーですが、厚みが全く違います。

ホームセンターなどの量産品は非常に薄く、普通に施工しているだけでも割れることがあります。一方、金物屋さんが取り扱う正規品は2階からメジャーを落としても割れず、ボイーンっと跳ね返ってきます(過去に一回落としてしまいました…)。そのくらい厚みと弾力性が違います。

“我先に精神”で修理をしてもらうと、ペラペラの量産品を使われて高額な費用を支払うことになる可能性が非常に高いです。量産品と正規品の値段を比べても、1尺あたり200円程の違いなので、一般的な大きさのベランダであれば7200円程度しか差額がありません。ですので、修理を行う場合は金物屋さんや商社から取り寄せる正規品を使うことをおススメします。

ここがポイント

  • “我先に精神”は損をしやすい
  • 台風被害直後に波板修理を依頼すると、通常よりも高い金額で安い材料を使われることが多い

台風直後には火災保険に即連絡

 台風直後は火災保険会社も嵐のように問い合わせが殺到します。ブルーシート張り費用等の仮修理費用の請求や台風被害箇所の修理費用の請求書を入手するにも少し時間がかかるところもあるようです。

被災直後は火災保険の担当者に電話がつながりにくくなります。仮修理費用の請求も写真が必要なので、修理する前にからなずブルーシート張りをする前の写真と施工後の写真を撮ってもらってください(施工後は無くてもOK)。

本体工事となる修理費用の請求書も早めに取り寄せて、早めに請求しておいた方がいいです。ただし、実際の工事となると理想は被災日から1年後、職人が空きだすころの方がベストです。それは何故なのかは割愛しますが、気になる方はこちらをご覧ください(台風被害で請求できる金額と修理費用の関係についてはコチラ)。

台風直後に工務店等に修理を依頼するのも勿論OKですが、工務店のみぼろ儲けの状態になります。台風直後は火災保険会社に保険金の請求書が殺到します。対応に追われるどころか対応できません。ですので、工務店の言い値のまま保険金を下すケースが多いのです。

通常100万円で修理できるところを400万円で請求してもOKだったという話も聞きます。丸々工務店の儲けとなります。ですので、あなたはどのタイミングで修理しようが損はしないのですが、周りが落ち着いたころに申請をする方が、あなたは得をします。

ここがポイント

  • 火災保険への請求書の請求は早めに、でも修理は遅めに
  • ブルーシート張りなどの仮修理費用の申請は特に早めに
  • 台風直後の修理は工務店のみ独り勝ち状態に

まとめ
  1. 土葺きの瓦が飛んだら、まずは雨漏り防止の為にブルーシート張りを
  2. ブルーシート詐欺もあるので、事前にサインと費用、追加となる要因とその費用を記載してもらうこと
  3. 勝手に作業をされるなどの被害があった場合は、とにかく脅されてもお金は払わないこと、すぐに警察に電話もしくは大声で助けを呼ぶ
  4. 台風直後は職人の単価が最大で20倍にも上がるので、すぐに修理しない方がお得
  5. ブルーシートはロープと土嚢袋で固定するのが基本
  6. ブルーシートはテープで固定すると、強風で一瞬にしてめくれ上がるためNG
  7. 長期戦を覚悟している方はブルーシートではなくホワイトシートの使用を
  8. “我先に精神”は損をしやすい
  9. 台風被害直後に波板修理を依頼すると、通常よりも高い金額で安い材料を使われることが多い
  10. 火災保険への請求書の請求は早めに、でも修理は遅めに
  11. ブルーシート張りなどの仮修理費用の申請は特に早めに
  12. 台風直後の修理は工務店のみ独り勝ち状態に

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